食味等加工適性と市場評価への適応
食味等加工適性評価
令和2年度から実施された候補品種の食味評価について、15名の日本雑穀協会認定有資格者によって試食加工評価が行われました。この評価で得られた情報は、新しい品種の系統選抜の資料として活用され、優れた加工適性や食味を持つ品種が選定されることとなりました。2年目には、選定品種の加工適性や食味評価を最大限に活かすために、条件やその他の情報を収集し、多彩な用途に利用可能なことを示しました。これにより、新品種の活用方法、ブランド化に向けてより具体的な方向性が示され、今後の研究開発推進の指針となりました。そして、3年目には、料理関係者を中心に6名の有資格者に依頼し、実際のメニューと共に加工適性評価を行い、より具体的な評価と共に、新しい品種提案時に紹介できるように試作を行いました。この試作により、新しい品種の利用価値がより具体的に把握され、料理や食品業界における応用の可能性が広がることとなりました。こうした取り組みにより、アワ新品種の優れた特徴を生かした普及促進に貢献していくことが期待されています。
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市場評価への適応
日本雑穀協会の法人会員を中心に行ったアンケート調査から、アワ新品種の生産・供給に関するニーズや市場評価などの情報を得ました。調査の結果、アワ新品種の生産・供給においては、量と質の両面で高いレベルで応えることが重要であることが分かりました。また、アワ新品種をブランド化するには、安定供給と安定価格の確保、大口需要にも対応できる体制の整備と同時に、高品質で付加価値のある雑穀の生産にも取り組み、需要の拡大や新しい市場の開拓を目指す必要があります。これらの取り組みの一環として、機械化栽培体系の普及を図り、効率的で安定した生産、品質の向上や生産コストの削減が求められています。さらに、品種デビュー後は、生産拡大を早期に実現することが重要視されており、スムーズな生産体制の構築に取り組んでいく必要があります。日本雑穀協会は、新たな市場や需要の拡大にも対応できるよう、活動体制を整えていく予定です。
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